空き家を売却したい。その意向が固まっているにも関わらず、空き家のままで放置してしまっている方は少なくありません。空き家の専門家ならではの適切なサポートにより、数年滞っていた空き家問題を解決した事例をご紹介します。
「この空き家、なんとかしませんか?」
Eさんは、柏市内にある空き家の相続人4名のうちのおひとりです。
築約60年のご実家は、Eさんの父(以下:父)が他界して以来、空き家のまま10年ほど経過しています。建物は外壁の損傷がひどく、生前父が手をかけていた庭木は伸び、雑草が庭や玄関周りを覆いつくしています。
弊社は柏市から委託を受けた「柏市空家相談員※」として、空き家に関する相談に対応しています。この「柏市空家相談員制度※」を通じ、家じまいをサポートしたお宅のお隣がEさんの空き家でした。空き家の管理状態について近所から柏市にクレームが入り、相続人に連絡を入れるも進展が見られず、市としても対応に苦慮しているとのこと…。そこで、柏市と連携して相続人に連絡を取り、相続人のおひとり、Eさんにご来店いただくことになりました。
※柏市空家相談員制度:柏市内に空き家を所有する人が、空き家の利活用や適正管理等、空き家の悩みを法律・建築・不動産等の専門家に相談できるようにした制度。弊社代表の大澤健司が柏市から相談員の委託を受けています。
大切な自宅だからこそ、ちゃんと片づけたい
Eさんから、改めて空き家に関する現状を伺いました。
空き家の売却については、お父様の生前からご家族で合意されていたそうです。お父様が亡くなった後、Eさんの兄(長男)が処分に取り掛かったものの、「思い出深いものが残っているし、片付けたいからもう少し待って」とおっしゃっるお母様の言葉を受け、具体的な売却活動に入れないまま10年ほど経過しました。お母様は身体がきかなくなり、今は、片付けを進めるのは難しい状態です。お父様が亡くなる前後は、密に連絡を取り合っていたご兄弟ですが、住まいが遠く、多忙でもあり、最近はめったに連絡は取り合わず、解体にかかる費用をどう負担するか、など、諸々の課題が棚上げになっているそうです。
空き家処分に必要なことを、ワンストップで
Eさんの空き家を処分するにあたっては、おおまかに
・遺産分割協議……父の遺産の分け方を決める
・相続登記…………空き家の名義変更
・売却活動
・遺品整理・解体
を行う必要があります。
相続登記・解体・売却、それぞれに費用がかかります。相続人誰かが主導権を取って進めないと、ひとつひとつの意思決定のたびに相談し、兄弟の合意を諮り…これでは、なかなか先に進みません。
そこで、弊社では売却完了までの道筋を作り、書面で明確にし、Eさん以外の相続人との合意形成をスムーズに行えるようにしました。
<提案の概要>

このように、相続から不動産売却までの流れと、売却額や費用、そして売却の結果として最終的に各々の手元にいくらの利益が残るのかを明確にし、Eさんを通じて、お母様とご兄弟に周知していただきました。
(今回は遠方のためお手紙のやり取りがメインとなりましたが、ご都合が許せば、相続人の皆様にお集まりいただきご説明し、合意を得る段取りを踏む場合が多いです)
司法書士や税理士、処分業者なども、全て弊社で一括して手配することにより流れがスムーズになり、また、かかる経費を売却額から差し引き相続人からの出費も抑え、一元管理がしやすくなります。
地域の空き家問題の解決に、不動産コンサルタントの力を
弊社が空き家処分のサポートを提案してから、約半年で空き家の売却が完了しました。
Eさんは、「近所からクレームを受けても、兄弟の誰も動かず、空き家の問題が兄弟のわだかまりになっていました。長年の悩みを解消できて助かりました。」とおっしゃっています。
空き家を放置してしまう理由は、ご家庭によって様々ですし、ご家族の意見の対立など解決が困難な場合も多々あります。一方で、Eさんのケースように、適切なサポートがあれば、スムーズに解決できることも多いのです。
空き家は、その不動産の価値だけでなく、近隣の価値を下げることにもなりかねません。私達不動産コンサルタントが適切なサポートを行うことで、空き家の所有者は元より、地域の課題解決にも微力ながら一躍買うことが出来たと自負しています。